これまで開催してきたくじびきドローイングの様子や、くじびきドローイングから生まれた絵や言葉、音楽を展示します。
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くじびきドローイング 静岡と福島をつなげてみて
2015年7月10日、津波被害の甚大だった福島県いわき市平(たいら)薄磯地区にあるいわき市立豊間小学校で、くじびきドローイングを行いました。芸術文化とことばの力で子どもたちの学力と生きる力を取り戻そうという『豊間ことばの学校』の取り組みのひとつとしてです。
ところで、このとき福島の子どもたちが初めにひいたくじの言葉は、静岡の子どもたちが作ったものでした。がんばってくださいではなく、一緒に遊ぼうねの気持ちで書いたことばです。そして今度は福島から静岡へとことばが贈られリレーが続きます。
コミュニケーションをテーマにしたワークショップ、くじびきドローイングで、福島と静岡をつなげるはじめてのこころみです。
いわきでも静岡でもくじびきドローイングを楽しむ姿を子どもたちは見せてくれました。ムチャぶりことばを絵にする楽しみ、ことばをつむぐ面白さ、くじびきドローイングにはどんな子も笑顔にする力があるようです。
震災は運命であったかもしれませんが、子どもたちが受け入れるには大きすぎたものでしょう。くじの運命なら楽しく受け入れてもらえるだろう、私はそう希望しました。それは大人がしつらえたプレゼントでしたが、子どもたちはそれを軽やかに超えて楽しんでくれました。そして同時に深いことばも残してくれました。震災からやがて五年を迎える今もまだ厳しい現実があることをあらためて知り自分の立ち位置を確かめざるをえませんでした。
福島と静岡の子どもたちをつないだことばと絵のリレー。何が見えたか。何がもたらされたか。考え続けていきたいと思います。(乾 久子 アーティスト)
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これまでの乾久子のドローイングには「孤高の存在」としての気配がキワだっていた。だが、同じドローイングでも、「くじびきドローイング」では、「他者との関係」がより色濃くなった。「わたし」と「あなた」のキワがどんどんはみ出して溶け合っていく。これこそ乾の仕掛けた「キワドイ」の発露である。まことにもって愉快である。(平野雅彦)
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めぐるりアート静岡とは・・・
「めぐるりアート静岡」は、静岡大学の「アートマネジメント力育成事業」の一環として平成25年度から始まった、今を呼吸する作家を紹介する展覧会です。市内外にある会場を舞台に、8名の作家がこの土地との交わりを多様な切り口で表現します。美術館からギャラリー、映画館まで、チラシを片手にめぐってみませんか。いつもの街が、「ちょっとざわざわ」しています。
オフィシャルサイトはこちら→めぐるりアート静岡
鴨江アートセンター主催のワークショップはこちらから→ OUT OF SCHOOL くじびきドローイング2016
イベント情報
開催日 | 2016年1月12日(火) - 1月19日(火) |
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開催時間 | 9:30~21:00(最終日18:00) |
会場 | 鴨江アートセンター 1階ロビー |
主催 | 静岡大学、静岡県立美術館、静岡市美術館 |
アーティストプロフィール
乾久子
1958年 静岡県生まれ 静岡大卒 東京学芸大学大学院修士課程修了 浜松市在住
国内外での個展グループ展多数。心身から線を生み出し、描くこと、そして日々の行為と思いを綴ることを制作の基本にしている。ワークショップ『くじ引きドローイング』は2009年掛川市の『ちっちゃな文化展』で始め、以後ほぼ毎年静岡浜松ほか各地で展開。2014年の鴨江アートセンターでのWSをつなげる形で2015年7月には被災地福島の小学校でも行っている。
イベント参加について
申し込み方法
受付終了
申し込み不要。直接会場へ。