2025年度浜松市鴨江アートセンター制作場所提供事業アーティスト・イン・レジデンス
このたび浜松市鴨江アートセンターでは、手塚好江さんの展覧会「ストレンジャー stranger」を開催いたします。
手塚さんは、絵画制作の工程の中で見えなくなってしまう下絵や下地をおもてに浮かび上がらせ可視化するという手法で作品制作をしています。今回、4か月にわたりアーティスト・イン・レジデンスで滞在した浜松は手塚さんにとって10代までを過ごした街。生まれ育った家、馴染みの道の草花、アートセンターのアトリエや、車を走らせてたどりつく海辺など、作家の目の前にある景色と記憶のレイヤーが作品となって立ち現れます。
手塚好江コメント
12年ぶりに、生まれ育った浜松で暮らすことになりました。
戻ってきたのに、すっかり「よそ者」になっていた自分に気づきます。
かつて慣れ親しんだはずの街はどこか不思議で見慣れないもののように感じました。
そして、この街の変化以上に自分の視点や認識が変わっていたことを実感します。
普通だと思っていたものの尊さ。
怖いと感じていたものの中にある面白さ。
その逆もまたありました。
かつての自分が見ていた景色と、今の自分が見ている景色。
ふたつの景色のあいだに立ち、行き来しながら、日々の暮らしの中でふと手に取ったものや心に残った感覚をきっかけに制作を行いました。(手塚好江)

<関連事業>
手塚好江 アーティストトーク
作品の背景や、アーティスト・イン・レジデンスでの制作過程について
日時:2025年8月24日(日)13:30~ 1時間程度
会場:鴨江アートセンター ロビー
参加無料/当日直接会場へ
<アーティスト在館予定>
8/22(金)、23(土)、24(日) 時間未定
手塚好江 Sumie Tezuka プロフィール

通常、絵画の最終的なイメージとして残らない下絵や下地層といった「絵画構造の中で見えなくなってしまうもの」を再度可視化させることをテーマとして制作を行なっています。膠絵具の描画層を一度下地層で覆い隠し、その上から油絵具を重ねることで下地層を透化させ、膠絵具の描画層を再度浮かび上がらせています。近年は膠絵具や下地の平面性と油絵の物質感や質量という絵画の構造と、自身を取り巻く社会の構造とに類似性を見出し、ニュースや身近な出来事などからテーマを設定し制作しています。
このような絵画構造を作り出すことで、自身を取り巻く環境や身近な出来事に感じる複雑な二重性を整理し、構造の中で見えなくなってしまうものを再度可視化させようと試みています。
1994年静岡県浜松市生まれ。
浜松学芸高等学校 美術課程で油画を学び始める。
愛知県立芸術大学美術研究科 博士前期課程を卒業し、同大学で教育研究指導員として勤務。絵画を中心とした作品制作を行う。
主な展覧会歴・受賞歴に2023年 Gap in boundary 境界の隙間で(愛知・アートラボあいち)、2024年 名古屋工業大学F+ART(愛知・名古屋工業大学)、FACE2025入選など。
Instagram:@tz.ssmm
手塚好江 今後の展覧会情報
手塚好江「In/Out-between」
会期:10/25(土)-11/16(日)休廊日:月曜日・火曜日※祝日の場合は、翌平日が休廊となります。
会場:愛知県立芸術大学サテライトギャラリーSA・KURA(〒461-0005 愛知県名古屋市東区東桜1-9-19 成田栄ビル地下1階 )
イベント情報
| 開催日 | 2025年8月20日(水) - 8月31日(日) |
|---|---|
| 開催時間 | 10:00〜20:00 |
| 会場 | 鴨江アートセンター |
| 主催 | 浜松市鴨江アートセンター(指定管理者:浜松創造都市協議会・東海ビル管理グループ) |