ほんとうは「水を得た魚」と言いたかったのに「魚を得た水」と言い間違えた人がいました。単純に「魚」と「水」の文字の位置を間違えただけなのですが、その文字の入れ替わりによって世界観はすっかり変わってしまいます。普段、私たちは文字を思考や表現の道具として使っていますが、実は文字のほうからも私たちに何かを訴えかけてくるような、文字が私たちを突き動かすということもたくさんあると思うのです。
頭の中で書かれる文字は、閉ざされた世界にあって、個人によってのみ書かれ読まれるものですが、もしそれを声に出したり、書き出したのなら、音声や形ある文字となって他人と共有することができます。その文字は旅をするチャンスを得て、誰かの耳や目に触れることになり、次々と新しい意味を持つようになるのです。姿形をかえながら人と人の間を移動してゆく軽やかさ、人々のあらゆる感情を受け入れるおおらかさを持った文字たちに、私は「生命・キャラクター」のようなものを感じずにはいられません。
露木春那による平成30年度鴨江アートセンターアーティスト・イン・レジデンス成果発表展
水を得た魚⇄魚を得た水
会場:
浜松市鴨江アートセンター(静岡県浜松市中区鴨江町1番地)
木下惠介記念館・旧浜松銀行協会(静岡県浜松市中区栄町3-1)
※道を挟んで向かいあった2館で開催します。
時間:
鴨江アートセンター会場 9:00~21:30
木下惠介記念館・旧浜松銀行協会会場 9:00~17:00
アーティスト・トーク
夜の部 9月28日(金)19:00-20:00 @浜松市鴨江アートセンター1Fロビー
昼の部 9月29日(土)14:30-15:30 @浜松市鴨江アートセンター1Fロビー
作家本人によるトークです。写真やテキストを交えながら、経歴や制作活動を振り返ります。過去・現在・未来を語ります。(両日ともに内容は同じです)
お申込み不要、当日お時間までに直接会場にお越しください。
露木ルーム
会期中、鴨江アートセンター内には作家本人と自由におしゃべりができるコーナーが設置されます。
アートのこと、作品のこと、学校のこと、思い出話、人生相談など、なんでも自由に語り合いましょう。在館時間等の詳細は露木春那Instagram、または鴨江アートセンターTwitter等をご覧ください。
露木春那インスタグラム
https://www.instagram.com/tsuyuki_haruna/
鴨江アートセンターTwitter
https://twitter.com/kamoeartcenter
イベント情報
開催日 | 2018年9月15日(土) - 9月30日(日) |
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開催時間 | 9:00〜21:30 |
参加費 | 無料 |
対象 | どなたでも |
主催 | 浜松市鴨江アートセンター(指定管理者:浜松創造都市協議会/東海ビル管理グループ) |
アーティストプロフィール
露木春那
1991年静岡県浜松市生まれ。中国美術学院書法系卒業、東京藝術大学大学院美術研究科修了。「文字を書くこと」を「自分の存在を確かめるための行為」と捉え、制作・研究を進める。アートプラクティスと日常生活は互いに溶け合い、その中で現代社会を共によりよく生きるためのヒントを探している。