2023年度浜松市鴨江アートセンターアーティスト・イン・レジデンス賞展覧会
このたび浜松市鴨江アートセンターでは、当館アーティスト・イン・レジデンス賞(2023年度)を受賞された婦木加奈子さんの展覧会を開催いたします。
2023年夏の浜松での滞在制作で作家は、身近な人の死をきっかけに「死」を「不在」と読み替え、さまざまな人々の元から手元にやってきた古布を素材にし、糸と針を用いた手仕事で彫刻作品として空間に立ち上げました。(展覧会「いなさ」2023年8月)
現在作家が関心を寄せているのは副葬品です。これまでのあらゆる人たちが“あちら”側を想像することで生みだされたものと、現代に生きる作家の彫刻作品。本展が、そのあわいを行き来する時間となることを願います。
<アーティストより展覧会に寄せて>
昨年の鴨江アートセンターのレジデンスでは、集めた古家具や古布を使用して、縫い物でできた柔らかな彫刻作品を制作しました。この度の個展では昨年集めた素材をふたたび使い、新しく集めた素材と織り交ぜて新たな作品を作ります。
近頃は古代の死生観、古墳の副葬品に関心を寄せています。副葬品の数々を眺めていると、それらがこちら側の生活の道具を模倣したものたちであることに気づきます。住めない家、引き抜けない剣、乗れない馬、炊事や食事には適さないかたちの器。使われることのないお金。こちらの世界での生活がまるであちらの世界でも続くかのように、それらのものたちとともに送られてゆく死者。こちら側からは想像することでしか接続できないあちらの世界のあり方を、こちら側での生活の延長にある造形を介して手繰り寄せ、一つの空間として現前させようとする姿勢に私は心惹かれます。
古墳の副葬品について、あの世を表象した空間を作るための模造品であり、儀礼の場のための舞台装置として機能していたとする和田晴吾氏による「他界の擬(なぞら)えもの」という言葉を手がかりに、こちらの世界をなぞらえたあちら側のかたちを探ります。(婦木加奈子)
<アーティストトーク>
2024年12月15日(日)13:30~14:30
お話:婦木加奈子さん
聴き手:鴨江アートセンターアーティスト・イン・レジデンス担当スタッフ
展示会場内にて作品の背景についてお話をうかがいます。ご予約をいただいた方は優先的にお席を確保します。ご予約方法はページ下部をご覧ください。
<作家在室日(予定)>
12/14(土)、12/15(日) ※休憩等で不在の場合があります。
婦木加奈子 プロフィール
1996年兵庫県生まれ、横浜市在住。2019年金沢美術工芸大学美術科彫刻専攻を卒業後、2020年チェルシーカレッジオブアート グラデュエートディプロマファインアートコース修了。身につける・外へと持ち出すなどの行為や、生活の営みを読み替えた制作プロセスを用いて、日常の身近な風景の中へ潜り込む彫刻作品を発表。
主な展覧会歴・受賞歴に、2024年「眼差しの手入れ」(京都芸術センター / 京都)、「BankART Life7 UrbanNesting: 再び都市に棲む」(BankART Station / 神奈川)、2023年 個展「いなさ」(浜松市鴨江アートセンター / 静岡)、2022年「第1回MIMOCA EYE / ミモカアイ」審査委員個人賞(杉戸洋賞)(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 / 香川)、2022年「TOKAS-Emerging 2022『ストレンジャー』」(トーキョーアーツアンドスペース本郷 / 東京)など。
ウェブサイト:https://www.kanakofuki.com/
instagram:https://www.instagram.com/kanakofuki/
イベント情報
開催日 | 2024年12月4日(水) - 12月15日(日) |
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開催時間 | 10:00~21:00 ※最終日は17:00まで |
会場 | 鴨江アートセンター |
主催 | 浜松市鴨江アートセンター(指定管理者:浜松創造都市協議会・東海ビル管理グループ) |
プロフィール
イベント参加について
申し込み方法
予約受付中(2024年12月15日〆切)
関連イベントへご予約をいただいた方は優先的にお席を確保します。お申込みにあたり①~⑤をご連絡ください。メール、電話、窓口にて承ります。
①タイトル、日時(12/15 婦木加奈子アーティストトーク)
②参加者の氏名、よみがな
③電話番号
④学年(高校生以下の場合)
⑤開催を知ったきっかけ
浜松市鴨江アートセンター
浜松市中央区鴨江町1番地
窓口:9:00~21:30
TEL:053-458-5360
E-mail:event@kamoeartcenter.org