ドキュメンタリー映画と聞いて、みなさんはどんなものを想像するでしょうか。ドキュメンタリー映画の表現史をみてみると、その語が生まれた当初から現在に至るまで、定義からはみ出すユニークな作品が生まれ続けてきたことがわかります。
「ドキュメンタリー・スタディーズ」の第4弾は、ロシアの映画監督アレクサンドル・ソクーロフが日本で製作した「日本三部作」、『オリエンタル・エレジー』(1995年)、『穏やかな生活』(1997年)、そして『ドルチェ-優しく』(1999年)を上映します。
本三部作を鑑賞し、みなさんの感想や質問を聞きながら、映像作家の池田泰教さんと一緒に語り合います。「ドキュメンタリー」という表現について、一緒に考えてみませんか?
【スケジュール(予定)】
10:00-10:05 イントロダクション
10:05-10:48 『オリエンタル・エレジー』上映
休憩
10:55-12:11 『穏やかな生活』上映
お昼休憩
13:15-14:18 『ドルチェ-優しく』上映
休憩
14:30-15:30 ディスカッション

上映作品➀
『オリエンタル・エレジー』
(1995年/43分/カラー/日本・ロシア合作)
アレクサンドル・ソクーロフが日本を舞台に制作した“日本三部作”第一作。
架空の島でありながら同時に日本でもある島を舞台とした、人間の存在と生のエレジー。ソクーロフの映画世界では、実在の風景と人々がその固有の生を保ちながら、不在や喪失の側にも立ち上がる。私たちの存在とイメージの間に潜む秘密の関係を覗き見るような驚きに満ちたドキュメンタリー映画。(池田)
(日本初公開2000年)

上映作品②
『穏やかな生活』
(1997年/76分/カラー/日本・ロシア合作)
アレクサンドル・ソクーロフの“日本三部作”第二作。
奈良県明日香村に暮す老女と共に、その家に流れる百年もの時間を映画として記述する。前作『オリエンタル・エレジー』での音響や光学的実践を継承しつつ、存在と不在のあいだにある時間を描き出す。イコン画における逆遠近法のようなセルゲイ・モシコフによる音響表現も必聴。(池田)
(日本初公開1997年)

上映作品③
『ドルチェ-優しく』
(1999年/63分/カラー/日本・ロシア合作)
アレクサンドル・ソクーロフの“日本三部作”第三作。
作家・島尾ミホが自身の人生と言葉を映画として演じ直していく。実在する人物が「映画的な」自然さや流暢さを纏わずに映画世界へと分け入る過程を、これほど直接的に示した作品は稀だろう。幼少期の家庭、母、父、そして島尾敏雄との生活と葛藤、娘マヤとの日々。語り、演じながら、ソクーロフと島尾ミホは最後まで生身のぎこちなさを手放さない。映画的流暢さとは別のイントネーションによって語りかけ、演じられ、映画が形作られていく、その過程が感動に満ちている。(池田)
(日本初公開2000年)

【開催会場】
木下惠介記念館(浜松市旧浜松銀行協会)
〒432-8025 静岡県浜松市中央区栄町3番地の1
・長時間の鑑賞になります。会場はパイプイスのため、座布団やひざ掛けなど、会場で快適に過ごせるものをお持ち込みください。
・会場内の写真が鴨江アートセンターのウェブサイトなどに掲載されることがあります。
イベント情報
| 開催日 | 2025年11月22日(土) |
|---|---|
| 開催時間 | 10:00~15:30(休憩あり) |
| 会場 | 木下惠介記念館(旧浜松銀行協会) |
| 参加費 | 1,000円 |
| 定員 | 20名(先着順) |
| 対象 | 高校生以上 |
| 持ち物 | 途中お昼休憩をはさみますのでお弁当をご持参ください。水分補給用の飲み物、座布団やひざ掛けなど、会場で快適に過ごせるものをお持ち込みください。 |
| 主催 | 浜松市鴨江アートセンター(指定管理者:浜松創造都市協議会・東海ビル管理グループ) |
プロフィール
池田泰教 (いけだ やすのり)
映像作家。1976年福島生まれ。時間の構造が生み出す面白さに着目し、独自の記述法を用いたドキュメンタリー/フィクションを制作。人物のポートレイトを映像で描く『土の人 3Portraits』(2009/lowave)、49日間のドキュメンタリー作品『7×7』(2004/SOLCHORD)、エリアを指定し即興的に演出した『MOSAIC』(2001/Internationale Kurzfilmtage
Oberhausen)など、独自のナラティブな表現を探求し発表を続けている。愛知県立芸術大学准教授。
イベント参加について
申し込み方法
受付終了
お申込みにあたり必要事項をご連絡ください。
メール、電話、窓口にて承ります。
・タイトル、日時「11/22(日)<上映&トーク>ドキュメンタリー・スタディーズvol.4」
・参加者の氏名、よみがな
・電話番号
・学年(高校生の場合)
・開催を知ったきっかけ
浜松市鴨江アートセンター
静岡県浜松市中央区鴨江町1番地
窓口:9:00~21:30
TEL:053-458-5360
専用E-mail:event@kamoeartcenter.org