2025年度浜松市鴨江アートセンター制作場所提供事業アーティスト・イン・レジデンス
このたび浜松市鴨江アートセンターでは、アーティスト・イン・レジデンスで当館に滞在制作している松葉奈々帆さんの展覧会「数える 描く 残す 消える」を開催いたします。
本展では、浜松での4か月間の滞在制作の中で出会った人々の睡眠時間を数え残した《他者の睡眠時間の記録》、日々その日のレシートを支持体にして描いた《レシート日記》総数約600点のうち浜松滞在中に制作した約100点をご覧いただきます。
私は、日々の生活で繰り返される時間や行動の記録をもとに、絵画などの平面作品を制作する。
レジデンスへの参加をきっかけに、生活と制作の場は浜松へと移った。環境が変われば作品も変わるのではないかと考えていたが、実際には大きな変化は起きなかった。日付や時間は、私たちがどこにいても変わらず存在している。しかし、目に見える形では捉えにくい。私は、作品ごとに定めたルールに従って制作を進めることで、そうした時間や行動を可視化することを試みている。
《レシート日記》では、毎日レシートを入手し、印字された日付を残した状態で上から絵を描いている。レシートを手に入れるため、日付を分けて買い物をしたり、本来は必要のない場面でもレシートの発行を選択したりする。レシートは行動の記録であり、今日を生きた証拠でもある。しかし、感熱紙に印字された日付は、時間の経過とともに消えてしまうことがある。日付が消えたレシートは日記としての機能を失い、描かれた絵だけが残る。
《他者の睡眠時間の記録》では、他者が申告した睡眠時間を「正」の字で数え、絵画として描いている。相手から送られてくる記録を追いかけるように制作を行い、他者の睡眠時間を自分の時間を使って数え続ける。
今回は、その人が持つ睡眠へのイメージを色として画面に反映した。数えられ、記録される時間は、やがて他者の生活リズムとして画面に現れる。
制作によって生活や時間の使い方が変化していく過程を含め、「日付を残す」「時間を数える」という行為の中で最終的に何が残るのかを考えている。(松葉奈々帆)


<アーティスト在館予定>
2/20(金)、21(土)、22(日)、23(月・祝)、2/28(土)、3/1(日)
時間未定
<関連イベント>
松葉奈々帆 ギャラリートーク
日時:3月1日(日)13:30~(1時間程度)
会場:浜松市鴨江アートセンター 展覧会会場内
聞き手:鴨江アートセンタースタッフ
一つ一つ、作品をめぐるようにして作家にお話をうかがいます。作品の制作過程や着想を知り作品に迫る時間です。予約不要、当日会場にお集まりください。
松葉奈々帆 MATSUBA Nanaho

1999年岐阜県生まれ、2024年岐阜県在住。2022年に名古屋造形大学美術コースを卒業。近年は、1日の睡眠時間を記録した絵画や見た夢を題材に作られた「あとかた」シリーズなど、さまざまな平面作品を制作する。繰り返される行動の中で見過ごされた人々の歩みを表面化しようと試みている。
主な個展に「あとかた」(名古屋市市政資料館 第4展示室/愛知/2022年)、グループ展に「motion#6 展」(名古屋市民ギャラリー矢田 第3展示室/愛知/2022年)、「BLACK TICKET2022」(長者町コットンビル/愛知/2022年)、「熟睡,東京編 SOUND SLEEP IN TOKYO,daydream」(The 5th Floor/東京/2022年)などがある。主な受賞歴に「第 16 回 CBC 翔け!二十歳の記憶展 CBC賞」(2021年)がある。
ウェブサイト:https://nanaho-matsuba.jimdosite.com/
Instagram:@mmba_77
イベント情報
| 開催日 | 2026年2月20日(金) - 3月1日(日) |
|---|---|
| 開催時間 | 10:00 ~20:00 |
| 会場 | 鴨江アートセンター |
| 主催 | 浜松市鴨江アートセンター(指定管理者:浜松創造都市協議会・東海ビル管理グループ) |