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今回のHi againは、2017年に鴨江アートセンターのアーティスト・イン・レジデンスで制作した美術家の乾久子さんをお迎えします。乾さんは、東日本大震災から10年の節目だった昨年、福島県で個展『ことばのまわり ~10年目を歩く~』(ギャラリーオフグリッド/福島市)*を開催しました。3月11日から何度も福島の地を旅して様々な人々に会い、作品を通して震災を振り返りました。どのような展示、どのような旅だったのか、写真や記録を交えてお話を伺います。

*乾久子『ことばのまわり ~10年目を歩く~』
会場:ギャラリーオフグリッド(福島市)
会期2021年10月12日~12月20日
主催:飯舘電力株式会社


乾久子『ことばのまわり~10年目を歩く~』について、主催者の飯舘電力株式会社(ギャラリーオフグリッド)、作家の乾久子さんのコメントを以下に引用掲載させていただきます。

2011 年 3 月 11 日に起きた東日本大震災後、乾久子はこれまでの表現とは異なる 3 月12 日からの新聞一面を塗りつぶすドローイングを毎日制作した。それから 10 年目の2021 年 3 月 11 日を迎えるにあたって乾が選んだのは、10 年前を作品で振り返るだけではなく、今の福島を歩いてみること。本展は、2021 年 3 月 11 日からはじまった乾の福島での旅を基軸に構成する。電車、バスなどの公共交通機関による目的地を持たない旅は、乾にたくさんの出会いをもたらした。思いがけない風景、すれ違った人がふと漏らした言葉。スケッチブックとペンを手にした作家の旅は、それらを自分のなかに受け止め作品として産み直す行為だった。作品を通して浮かび上がる、乾が感じた 10 年目の福島。そこに重なったコロナの影も感じる作家の心の軌跡は、どのように感じられるだろうか。(ギャラリーオフグリッド)

10年前の2011年、大震災が起こった後、私は自分の表現について途方に暮れ、何をすればいいのかわからなくなっていました。それなのに個展が近づいていました。結局私は3月12日からの新聞の一面を毎日塗りつぶすドローイングをしてその一ヶ月分を発表しました。10年が経ち、新聞を塗りつぶしたあのドローイングにどんな意味があったのか、福島の地で確かめたい思いが芽生え、10年前と同様の形で再展示できたらと思いました。その計画をふくらめていく中で、私は、この10年の間に出会った福島の方たちにアドバイスをいただきました。10年前を作品で振り返るだけではなく、今の福島を歩いてみたらどうですかと。かくして私は2021年3月11日を皮切りに、浜松から福島への旅を始めました。「女寅さん、10年目を歩く」の旅です。
常磐線、東北本線、磐越西線、磐越東線、只見線、会津鉄道、列車に乗り、路線バスに乗りタクシーに乗りでの移動。スケッチブックとカメラを携えて、見たり、聞いたり、話したり、食べたり、しました。
この展覧会ではその旅の記録とドローイング、10年前の新聞作品、そして10年目の今年に浜松のアトリエで制作した作品を展示します。10年間と10年目、ふたつのことを旅が教えてくれたのかもしれません。おりしものコロナ禍。先の見えない不安や閉塞が日本中を覆っている中での旅でした。そのないまぜの10年目であったことも歩く私には大きなことでした。(乾久子)


乾久子 Hisako INUI

美術家 1958年 静岡県生まれ 東京学芸大大学院修士課程修了

イメージからイメージへと広げていくドローイングを制作の基本とする。国内外での個展グループ展多数。
2020年よりことばのまわり シリーズとして、サイズもコンセプトも素材も異なる数々のドローイング作品をギャラリーをはじめ大規模公共空間や野外などで展開している。

2021 ことばのまわり ~10年目を歩く~ ギャラリーオフグリッド/福島

2021  ことばのまわり ~船とゆく~ グランシップ・静岡県アーツコンベンションセンター/静岡

2020 ことばのまわり ~港をあるく~フェルケール博物館/清水

2020 ことばのまわり  アートカゲヤマ/藤枝

2008年にくじびきドローイングワークショップを発案。言葉と絵のリレーで、美術と社会をやわらかくつないでいる

公式ホームページ 乾久子の仕事 http;//hisakoinui.com
くじびきドローイングのすべて http;//kujidoro.net

  • 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、開催内容の変更、延期等の可能性があります。
  • 入館時の手のアルコール消毒、検温、マスクご持参の上の着用にご協力お願いいたします。
  • 会場内の様子の写真が鴨江アートセンターのウェブサイトなどに掲載されることがあります。

イベント情報

開催日
開催時間 19:00〜20:30
会場 鴨江アートセンター 1階ロビー
参加費 無料
定員 20名(先着順)
対象 どなたでも
主催 浜松市鴨江アートセンター(指定管理者:浜松創造都市協議会・東海ビル管理グループ)

プロフィール

イベント参加について

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受付終了

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・参加者の氏名、よみがな
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・学年(高校生までの方)
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浜松市鴨江アートセンター
浜松市中区鴨江町1番地 
窓口: 9:00~21:30
TEL: 053-458-5360 
E-mail: k.a.c@kamoeartcenter.org